八王子映像 幼稚園・小学校 音楽会撮影

私がDTPという言葉を聞いたのは1993年のマッキントッシュを購入すると決意した頃であるからもう20年も前のことになります。

海外に雑貨関係を紹介するエキスポーターズカイドとプロダクトオブジャパンという季刊誌を発行する雑誌社で過ごした関係で「活字の進化」とか「本になるまで」の過程に凄まじ変化を感じているからです。編集の仕方もどんどん変わっていきました。その中でDTPというDesk Top Publishingがアルダスのページメーカーというソフトが発売されてブレイクしました。Power PC8100/80AV ハードディスク500MB、Power PC601と値段的には当時70万円くらいしましたでしょうか。秋葉原で安いところを探して購入しました。

QuokExpress社よりクォーク出現

そのうち、ページメーカーより機能が優れている印刷会社がこぞって使用することになったQuokExpress社のクォークというソフトが売り出された。Mac版でこれを導入すれば仕事がどんどん入ってくるように思えた。こちらも12~3万円もするソフトで、フロッピーディスクの3.5インチであった、それを購入しインストールした。八王子にある印刷会社へ売り込みに行き仕事をゲットしたのはよかったのだが、このソフトが使えることによる対価は非常に低く、原稿を頂戴して入力指定に沿って入れるにもまずワープロ打ちをしてそれから流し込みという作業に対してとても時間的に採算が合わなかった。趣味みたいな、新しいもの好きな、自分の会社設立の基本線に立ち戻って考えてみるとそういった先端技術に頼りすぎた点で甘さがあったように思います。

社会情勢はバブルもはじけていっときマンションをローンで購入した人たちが逃げ出すなどの事件が新聞を賑わせていたその頃のお話である。もはや収入の拡大は望めないと判断しパソコン機器、ファックスやコピーマシンなどのリースを全部一括に支払って精算した。息子の大学進学という前に安定した収入を図る為にはSOHO的個人営業の仕事をやめ。会社員になることで事態の回避を選んだことはその後の精神的な意味で正解であったように今でも考えています。

会社員になって、9時から5時までの生活、月曜から金曜まで、有給休暇そして夏と冬のボーナスと自営業と比べて天と地のような環境変化に人間を取り戻したかのような気分になりました。脱サラをして再度サラリーマンに戻った時間でした。しかしそれでもDTPという世界がどのように変化してゆくのは気がかりでした。こちらのQuokExpress社もアドビのInDesign インデザインというソフトにDTPの座を奪われていました。これからどのようになって行くのかまだまだ未知数です。印刷業界も悪戦苦闘する紙ばなれという時代になりスマホやアイホーン・アンドロイド端末、アイパッドなど手の上で活字を見る時代が到来しているからです。どのようになろうとそれを作り出すソフトであるDTPに対する対価価値はそれらを情報処理として考えた時、あまり期待は出来ない世界であるように思われてならない。この20年はあまりにも変化が激しくどの職種もサイクル的に短距離競争を強いられ過ぎていたようです。

もうかっての二の足は踏まないと心に決めて再度立ち上げた会社です。ハローワークでパソコンが出来ますか?とか聞かれていた2年前もあった。そんなパソコンを使ってなんとかしようと足掻いた人間として、あまりにもDTPという言葉には無情な響きを感じてしまう。

浮世雑感のDTPのお仕事

世の中悪ことばかりではありません。ここに掲載している本は、私が勤めていた雑誌社の社長さんから頂戴した仕事です。雑誌社を辞めてからも交流を続けさせて頂いておりました。社長さんとは親戚にあたる叔父さんからの依頼で「浮世雑感」という本を3号までご自身が制作されておりまして、雑誌社にもDTPマシンが入っていたのですが、4号から制作を持っているソフトで作って欲しいと言われ、勤めをしながら文書の入力そして流し込み作業をお手伝いしました。4~7巻と4冊をクオークエキスプレスでDTP出力し製本のお手伝いする事ができました。やはり汗と涙の苦労を知っている社長さんでした。仕事の本質を理解してくれていて、お手当は充分すぎるほどでした。今思うと対価はどんな形で帰ってくるのか分からないと感謝し、原稿製版が鉛版からゴム版になって写真の縁取りをして頂いたブラシ屋さん、校正での「トル・ツメ」を教えてくれてお得意様から広告を断られても誌面構成上無料で掲載する「ウメクサ」、出版日に出す為に泣きついて急がした製本屋さん、大阪支社では本が出来上がるの待ち望んでいる為汐留駅から貨車で送った事、実に多くの方々が雑誌発行には関係したものでした。DTPという仕事は生産性や効率を高めたことには違いないが余りにも時代の流れが早すぎて資本力のあるところで減価償却をあらかじめ見込んで出来るそんなお仕事であるように思っています。

桜

Adobe InDesignというソフト

現在クオークエキスプレスに変わってアドビのInDesignがDTPの主流だとアドビさんは言っています。印刷そして電子書籍としての出版と業界標準とまで広告にありますので多分そうなのでしょう。電子書籍「ePub」ですが前述の多くの人の汗や涙は全部吹っ飛ばされています。とは言っても時代の流れに逆らって生きるほど度胸はありません。新聞や雑誌ですらタブレットで見る時代です。出版という工程は全部カットして物を書く人イコール出版物という恐ろしい時代になってしまいました。そうです、いままでたくさんの人が係わって流れていたものがスキップされてしまう現象です。流通革命のひとつですが先日英会話で学んだテーマでオンラインショッピング、オフラインショッピングの二つの事例を紹介していまして、今では大型家電販売の商品の前でタブレット端末を出して価格を調べて購買を決定する時代のようです。これらの最たる潮流が雑誌、書籍その他のパブリシティにも押し寄せているように感じるのは私だけでしょうか。